映画 Arrival (メッセージ)

テッド・チャン原作の「あなたの人生の物語」を、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が映画化。昨年(Nov.2016)の US 公開時から注目していたのですが、日本では2017年5月公開となりました。

なんとも奇妙な SF 映画でしたが、私は未来の宇宙を舞台にした冒険活劇(も面白いけど)などよりも、知的好奇心をくすぐられるこんな作品が大好きです。一度見ただけでは飲み込めず、珍しいことに劇場で二回も観たわけですが、先日(10/17)やっと Blu-Ray がリリースされたので、部屋でゆっくり観ることができました。で、そのテーマについてあれこれ考えるうちに、なんだか余りにも当然のことのように思えてしまい、ブログに起こすことにしました。(勝手な思い込みの塊&勢いで書くので、間違いやら見落としあったらごめんなさい)

それは映画内でも語られる「辛い運命が分かっていてもそれを選択しますか?」という問いについてです。

ヒロインのルイーズは「結婚をし、産まれくる娘を病気(ガン?)で亡くし、夫とも離婚する」という運命を知りながらそれを選択します。それは選択なのか、必然として受け入れるものなのか?という議論もあるのでしょうが、それは置いときます。

さて、その運命を彼女は受け入れるわけですが、そのことをよくよく考えてみると、実は私たちは生まれくる我が子が(事故や病気、老衰であれ)死ぬことは、自分たち自身が死にゆくことを含め普通に「前提」なのです。何も「運命」などと特別な呼び方をせずとも、自明の理であり、それこそが人間なのです。ルイーズが選んだ運命は、悲しいけれど厳しいけれどそれがそれこそが人生そのもの、なのではないでしょうか。こう考えると「運命を受け入れられますか」という問い自体が空虚なものになってしまったのです。。。

ただ、だからといって「彼女は特別素晴らしいことをしたわけではない」などと言うつもりはありません。彼女が受け入れたからこそ、彼らと人類は前進できたわけですから。。。

映画というものは、そんな当たり前のことながら忘れられていたりなおざりにされた大切なものを見つめ直そうとするものなのかも知れませんね。

(ここから余談です)
では、彼女がその運命を選択しなかったとしたら? という疑問も湧いてきます。
答えは「彼らは別のタイミングでまた来訪する」でしょう。
人類と彼らは 3000 年先の未来に互いが関わりを持って助け合うことは分かっているわけで、そこへの道はきっとひとつでは無いはずです。

ちなみに、ドゥニ監督の Blade Runner 2049 は今週末(10/27)公開でメチャクチャ楽しみにしています♪
いやあ SF って本当に面白い!

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