あの日(2000/10/27)の出来事

忘れもしない2000/10/27(金)。その日から私の人生観は大きく変わる事になりました。以下は、当時の軽い口調で書かれた日記みたいなものです。



さてさて、いったい何が私の身の上にっ!実はここ3週間ばかり入院してました。生まれて初めての「手術と入院」です。もー、ビビっちまいましたデス。もしかしたら、私は既に居なかったかも知れないワケですから。 それほどにヤバい病気でした。そう、それは「心筋梗塞(しんきんこうそく)」てゆー病気、ちゅーか障害です。どーでもいいHPなんぞを作ってる場合じゃないって(笑)

■ 兆候

それが、私の身の上にやってきたのは、一ヶ月ほど前10月上旬のことです。 大した運動をしたわけでもないのに、突然胸が痛む。 チクッというのではなく、ググーッと押さえつけられたような痛みです。 それは、3分〜5分もすればまるで何事も無かったかのように去ってしまいました。 でも徐々に、日を追う毎に、痛みは激しく深く長くなっていきました。 


■ 発現

その日も、地下鉄駅までの坂道の途中で、痛みに襲われました。 もういつものことなので「あぁまたか」って具合です。額にはアブラ汗が滲んでましたが ハンカチで拭いながら、乗車しました。電車はいつも通り大したラッシュでもなく、 20分ほど車内で我慢してさえいれば、会社まで運んでくれます。 そう、いつもなら乗っている間に痛みは去り、いつもの寝ぼけ顔でみんなと会えます。 これまでは、仕事中に痛み始めても、仕事に熱中してれば少々の痛みや気分の悪さなんて忘れていられます。でも、その日はダメだったのです。ずっと、痛みが去らない。 痛みは強くなったり弱くなったりを繰り返すものの、決して去ろうとしないのです。 「悪いけど、おれ帰るわ」と午後から帰る旨メンバーに断って、上司にも連絡しました。 


■ 幸運

ここで、私私は、救われました。上司は、部署の管理者にも報告してから帰るようにと、指示したのです。昼食時間も終わり、席に戻っていたメンバーに仕事の引継を済ませ、 管理者(Uマネジャー)には体調が悪くて失礼させていただくとお話ししました。しかし、Uマネージャーは私をすぐには帰さず、社内の内科医に診させたのです。帰る用意をしてから、僕らは診察室に向かいました。そう、彼は診察室に同行し「急だがすぐに診察して欲しい」と、受け付けに依頼までしてくれたのです。まず、半日休むくらいでは管理者に繋いだりしません。事後連絡で済ませるのが普通です。体調が悪くて帰る、というケースは案外少なくて、普通は朝から休暇になります。無理をおして出勤させても、好結果に繋がることはまず無いですから、体調が悪いと連絡があった段階で、休むよう指示します。 


■ 診察、そして車イス

まず心電図をとり、それを見ながら問診です。えー、まずこのへんから先生の様子がヘンです。何がヘンかというと、えらく時刻を気にするところ。つまり、きょう始めに胸が痛くなってからの、痛さの変化。それから、何か錠剤を飲まされ様子を見ます。飲んだ後、痛みがどうなったかデス。これは後で分かりましたが、血管を拡張するクスリ「ニトログリセリン」だったのです。確かに、ニトロを飲んだ後、痛みは弱くなり安らぎました。それを先生に告げると、そこからはイッキに健康人から病人へ落ちました。そう、イッキです。怒濤のイッキ(笑)先生はまず「心筋梗塞」を起こしている可能性が高いと、言います。私の中途半端な知識では、それは死因のひとつ。てーことは、死んでしまったのか?周りの風景に色が付いて見えるのは、なんでやろ?などとたわけてると、先生は「すぐにでも入院して、 ちゃんと診察を受けることをお薦めします」と言います。「おや?やっぱ未だ死んでないのか、なーんだ。せやけど、ここで入院すっと仕事はどうなんねん」などとちょと考えつつも「明日から入院とか、時間的な余裕あるかなあ。友達や家族にも連絡せなあかんし、入院なんて初めてやから、何をどうするか相談したいなあ。とりあえず、スーツ脱ぎたいしパンツは新しいのに替えときたいなあ」と、依然として寝惚けたことを考えてましたデス。そうこうしてうるちに、先生があちこち当たって、適切な病院を見つけてくれました。「後輩の居るS病院でいいか」と聞かれましたが、善し悪しなどここ20年以上病院に関わってないので、分かるハズもございません。「ハイ」とふたつ返事で答えます。「じゃあ、タクシー呼ぶから待ってなさい。病院には、さっきのひと(Uさん)に同行して貰いましょう」。。。「ハイ、もう座るんですか?これに」と、看護婦さんが用意してくれた車イスを前にして。どーやら、てゆーか自分は“急患”、しかもメッチャ安静にしとかないとヤバい患者のようです。てことで、スーツのまんま車イスに。すんごい恥ずかしいっす。 


■ あれよあれよと・・・

さて、タクシーは結局通りで拾うことになったようで、Uさんが捕まえてくれました。S病院へは、約10分で到着。タクの運ちゃんの話では、つい先日新しく建て直したばっからしーです。期待にワクワク・ドキドキ。おいおい、それで止まってもーたら怖いやんと思っていたら、そゆケース(胸が痛みだして病院に着くまでに逝っちゃう)がなんと25%もあるらしー。ぴくぴく(^_^; ← かなりアブラ汗。さーて到着です。向かいには「ロイヤルホテル」。なんか、高級ビジネスホテル風のビルで、中に入ってもビックリ。あまりの高級感に、思わず川の反対側でくすぶっていそうな「わが町の開業医」に変えてみない?って思いましたデス。で、1F受付で入院手続きを(車イスのまんま)始めていたら、“後輩”さん(モチロン白衣を着た医師)が来られて「そんなことしてるヒマは無い、すぐにICUへ入って下さい」と・・・つまり、救急車で運ばれて来てもおかしくない、てゆーか普通はそうらしい扱いに 
ビビりつつ、依然として車イスのままエレベーターで、とりあえず3FにあるICUに入る。 


■ やっぱ、オペ

いきなし、車イスからベッドに乗り換え。ここらあたりから、視界が限られるので(ほとんど天井がメインだもんなあ)、自分がどこにいるのかハッキリしない。もちろん、時刻も。で、ベッドに乗り換えたかと思うと、すぐにICUから手術室へ移動。また心電図を採りつつ、担当の医師から説明がある。恐らく心筋梗塞を起こしていること、そしてそれを確認し治療するためには、カテーテル検査という方法を使うのがベストだと。また、オペは体内(正確には動脈に)に器具を入れての処置となり、いろんな危険が伴うので家族の了承が必要だが、いらっしゃらないので付き添いのUさんに代行いただいて良いかと。これにも、もちろん「ハイ」で、ホイホイとコトは進みます。まず、スーツがはがされ(この表現の通りに脱がされた、てゆーか未だ着とったんかいっ!)、オペ着に着替えます。お次は毛剃りです。そう今回のカテーテル検査は、股ぐらから器具を入れます。股ぐらというのは、ここ(赤丸)なので、この周辺はキレイに剃り剃り。かなり寒くて、すーすーします(笑) 


■ いよいよ、オペ

えー、実際のところ、なんにも見えません。なんか股ぐらでゴソゴソやってますが、局所麻酔の注射を打たれた後分かるのは、ベッドをやたらあっちやこっちへ動かしてることだけ。カテーテルと呼ばれる管を動脈に入れ、さらに外から血管の撮影が出来るように、カテーテルを通じて造影剤を患部付近に流します。この映像を元に医師は状況を把握・判断するのだそうです。オペ中はずっと、この映像をモニターで患者も観ることが出来ます。30分くらい経ったでしょうか、担当の医師から予想通り心筋梗塞を起こしているので、治療しますと宣言されました。この治療と言うのは「風船」を膨らますことでして、何のこっちゃと思うでしょうが、詰まった血管の中で文字通り膨らませるんだそうです(笑)オペ中「8行くで」とか聞こえるのは8気圧で膨らませるとの意味だそうです。それから、ベッドをあちこち動かしているのは、カテーテルを動脈に通していく際に患者の向きを調節するためだそうです。で、膨らませること自体は、すぐに終わりました。今回は、また詰まるといけないので、メッシュの補強パイプを入れときました、だそうです。まいどっ!(笑)ちなみに、風船を膨らませる前に、おしっこさせて貰いました。もちろん、尿瓶におしっこをするのはこれが初めてです。かなりな量が出てスッキリしました。なお、オペ後は、尿道にパイプを突っ込まれ、垂れ流しになります。(これが実はトイレ行くのさえメンドーだというヤツには便利な仕組み。だって、文字通り垂れ流しになるんです。でも、この便利さに馴れるとおしっこする意識を忘れてしまうらしく、あえてパイプを閉じて自動的に流れ出すのを止めるってこともするそうです。あ、ご飯中だったらごめんなさい。この先、浣腸(かんちょう)も出てくるので、お楽しみに。げろ)

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